ページトップ

日本の医師たちが驚く最先端治療を手掛けてきた
心臓血管外科医が監修するメディア

【エコノミークラス症候群】原因とかかりやすい環境とは?

Pocket
LINEで送る

じっと座っていた人が、動き出した時に体調が悪くなる・・・。
このような症状が「エコノミークラス症候群」と呼ばれる病気の特徴です。

日本代表サッカー選手や震災時の避難所でこのような症状が出たことから、耳にしたことも多いと思います。
本記事では、なぜこのような症状になってしまうのか原因と対策をお伝えしていきます。

 

1.エコノミークラス症候群とは?

長時間にわたり同じ体勢で座ったままでいることで、下肢の血流が悪くなり、血管内に血のかたまりである血栓ができてしまい、このように生じた血栓が、立ち上がった際などに血管内を移動し、肺まで流れると血管が詰まり胸の苦しさや息苦しさを感じます。

血流が悪くなり血管内に血栓ができてしまうことを「深部静脈血栓症」といい、
血栓が血液中を移動して動脈の詰まることを「肺血栓塞栓症」といいます。
深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症という2つの症状が合わさって起こる事が多く、この症状が「エコノミークラス症候群」と呼ばれています。

具体的なシチュエーションで言えば、飛行機のエコノミークラスは狭くて動きにくいですよね。
そのような狭くて動きにくい環境下で起こることが多いので、エコノミークラス症候群と呼ばれていますが、機内以外でもバス、新幹線、車中泊でも起こる危険性があります。

 

1-1, 症状

血流が悪くなり血栓が生じ、血栓が血液を流れ、肺まで到達すると呼吸ができなくなります。
これは最悪の状況で、死に至る場合もあります。熊本地震では避難者の9%に血栓症が発症していたとの報告もあります。
肺の動脈を血栓で塞いでしまう事で、通常肺から身体全体に送る酸素を送る事が出来なくなり血液循環に障害が出ます。
息苦しさや胸の痛みなどといった症状が出たら、医療機関での診察を受けましょう。

2, 原因

では、どのようなことが原因となるのか?
こちらを解説させていただきます。

2-1, 長時間同じ体勢でいる

長時間座ったままでいると足の血流が悪くなってしまいます。
血流が悪くなること血液が溜まって血栓ができやすくなります。

 2-2, 脱水

体の水分が一定以下になると血液濃度が濃くなり、血液を固まりやすくさせてしまいます。
サラサラの状態よりドロドロした状態の方が、かたまりやすいことをイメージできると思います。

2-3, 乾燥や気圧

乾燥している環境下にいると、体内の水分が次々に蒸散してしまいます。
冷暖房で空調管理をしている室内は、実は外よりも乾燥しているのです。

また、機内は気圧の変化があります。
気圧というのは大気の圧力で、上空に行くほどに低くなり、
体内の水分は液体なので、液体は流動的で、圧力の低い方へ流れます。
それにより低気圧は水分不足に影響してしまいます。
人間の体の水分は約60%もあるため、私たちが思っている以上に、気圧の影響を受けやすいのです。

 

2-4, 血栓ができやすい人

一番の原因である、血栓ができやすい要因をもっている人はどんな人なのか?
実はできやすい人には特徴がありますので、こちらで紹介させていただきます。

 

2-4-1, 血管に傷がある

血液は24時間血管の中を流れ続けていますが、血管内皮が傷つき血管が異物と触れるとたちまち血液が固まり傷を修復させようとする作用があります。
ですので、外傷や骨折などで血管が傷つくことや、手術後などは血栓ができやすくなってしまいますので、予防策が必要となります。

2-4-2, 生活習慣病

「高血圧」「高血糖」「高コレステロール」の生活習慣病は、全て血液が関係していて血液がドロドロとかたまりやすい状態になっています。
血液中のコレステロールが高いと、血液が固まりやすく血栓ができる原因になります。
ですので、通常の生活においても血栓ができやすい状態なので、動かないことで血流が悪くなってしまう状況では更に危険な状況になってしまいます。

 

2-4-3, 喫煙習慣がある

タバコにはニコチンを代表する有害物質約200種類も含まれています。
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ血流を阻害するほか、血管の炎症を引き起こすことからも血栓を作りやすくしてしまうのです。

2-4-4, 下肢動脈瘤がある

下肢静脈瘤とは静脈弁の異常から血液が逆流・滞留をし、それが静脈の壁に当たることで壁がコブのように膨張してしまい、下肢部のむくみとして現れる病気です。

下肢静脈瘤があるからといって、エコノミークラス症候群になりやすいという、直接的な因果関係はありません。
しかし、下肢の血管に病状を来す生活習慣的な共通点はありので間接的に下肢静脈瘤があると、エコノミークラス症候群になりやすい可能性があります。

3, 災害時の避難所で高まる危険性

血流が悪くなることで起こるエコノミークラス症候群についてお伝えしてまいりましたが、
更に危険性が高まるのは災害が起こり避難所へ避難した時です。

3-1, 原因

トイレ環境や水分の不足、狭い場所での生活や車中泊を行う等、
通常時の生活より動きが取りにくい場所で過ごすことで、血流が悪くなるためエコノミークラス症候群発症のリスクが高まります。

3-2, 災害に備えた対策

防災グッズの中に弾性ストッキングを用意しておくことができたら、避難所のような狭い場所でも安心です。
弾性ストッキングとは、足首からふくらはぎにかけて圧迫することで血流を促進する働きのあるストッキングや靴下です。

避難場所での長時間同じ体勢でいることは、下肢が圧迫されてしまい血栓を作る原因になってしまい場合があります。このような状況で弾性ストッキング使用すると血流改善が期待されます。

むくみを取るために利用している方も多いと弾性ストキングですが、エコノミークラス症候群予防にも効果があり、実際に被災地で配布されています。

あとはこまめな水分補給と、睡眠をとる際は体より足を10センチ程高くして寝るようにしましょう。足元にクッションを置いて足を乗せるだけでいいでしょう。

体より足を高くすることで、足の血液を体へ戻してあげることができます。

4, 対策

エコノミークラス症候群にならない為には血液中に血栓を作らないよう、血流をよくすることが対策になります。ここでは、簡単できる対策を紹介させていただきます。

 4-1, 運動

長時間座ったままでいる場合は、意識的に席を立って歩くようにしましょう。
歩くことができない場合は足首をまわしたり、膝を胸に近づけるイメージで足を上下することも運動になります。

4-2, マッサージ

ふくらはぎは血液を循環させるポンプとなる筋肉があります。
その筋肉をほぐしてあげるようにゆっくりとふくらはぎを揉んで、マッサージを行いましょう。
下から上に向かっていくよう、ふくらはぎをほぐしていきます。

 

4-3, 弾圧ストッキング着用

弾性ストッキングとは、足首からふくらはぎまたは、ひざ上にかけて圧迫することで血流を促進する働きのあるストッキングのことです。
この弾性ストッキングは、足のむくみをとる目的で使用されている方もいらっしゃると思いますが、エコノミークラス症候群の予防や進行防止にも有効であると考えられています。

弾性ストッキングは、市販で販売されている足のむくみをとる目的の美容用や下肢静脈瘤を予防する医療用まで様々なタイプがありますが、エコノミークラス症候群を予防する際は着圧効果の強い医療用弾性ストッキングのほうがおすすめです。

4-4, ゆとりのある服装

血流を圧迫するようなタイトな服装は避けます。
補正下着やタイトなボトムスは避け、ウエスト部分がゴムであったり、体を締め付けることのないゆとりのある服装が理想です

4-5, 水分を取る

人間の体は水分量が減ると血液が濃くなってしまいかたまりやすくなってしまいます。
トイレに行くことを控えるため水分を取る事を抑えるようなことは、大変危険です。
こまめに水分を補給するようにしましょう。

 

5,まとめ

エコノミークラス症候群は日常生活でも起こる事のある症状です。
特に注意した方がいいのはいつもと違う環境下に置かれた時です。

人に迷惑になるからトイレに行きたくない、動かないようにするということが原因となり、エコノミークラス症候群を発症させてしまうかもしれません。
最悪の場合命にかかわりますので、予防を行うことを忘れずに、エコノミークラス症候群を発症しないようにしましょう。

Pocket
LINEで送る

関連する記事

エコノミークラス症候群の初期症状はしびれ?!

エコノミークラス症候群の初期症状はしびれ?!

16,845ビュー

簡単に行える血栓症の予防策9選!

簡単に行える血栓症の予防策9選!

7,631ビュー

こんな症状は要注意!?エコノミークラス症候群の症状と特徴

こんな症状は要注意!?エコノミークラス症候群の症状と特徴

5,804ビュー

エコノミークラス症候群を発見する検査方法5つ!

エコノミークラス症候群を発見する検査方法5つ!

4,290ビュー

エコノミークラス症候群対策!何故、弾性ストッキングがおススメなのか?

エコノミークラス症候群対策!何故、弾性ストッキングがおススメなのか?

2,697ビュー

このサイトについて

mukumi.jp (以下「当サイト」という。)は、株式会社医学新聞社 医療情報部(以下、「当部」という。)によって監修、管理、運営しております。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

詳しくはこちら