※最新情報※
8/17(木)テレビ東京「よじごじDays」にて、本記事でご紹介させていただいた榊原医師とスーパーグルー治療について、特集が放映されました。
番組特集名:
オススメ!かんたん日帰り手術と最新検査大公開〜脚の血管の病気が30分の手術〜
7月24日にTBSの人気番組、「スーパードクターズ」の4時間特番として、 「名医のTHE太鼓判! 合体4時間SP★乳がん&難手術に密着」が放映されました。
同番組内で数々の最新治療や名医が紹介される中、特に放映後ネットで反響を呼んだ 「スーパーグルー」治療をご存知でしょうか?
従来だと2-7日間の入院が必要で術後の傷跡も問題視されていた「下肢静脈瘤」の手術が、
10分で終わり、かつそのまま帰って仕事もできる、夢の最新治療に迫ります。
目次
1.足の血管がボコボコと浮き出る病気「下肢静脈瘤」とは?
足のふくらはぎの血管がボコボコになる「下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)」。
軽症のうちに治療をすれば、強い痛みが出たり、
歩けなくなったりするということはないのですが、生活の質が著しく損なわれる病気です。
女性は特に見た目が気になることでしょう。
また、重症化すると、そのボコボコから血の塊ができ、
それが肺に流れて肺が詰まってしまいます。
その状態を肺塞栓症といい、息苦しさや胸の痛みを起こし、命に関わることもあります。
このように、とてもやっかいな病気である下肢静脈瘤ですが、
潜在患者数は1,000万人以上に及びます。
まさに、国民病と言えるでしょう。
この病気の最新治療法が、
2017年7月24日、TBSの医療番組「スーパードクターズ-名医のTHE太鼓判5&スーパードクターズ合体4時間SP-」で紹介されました。
「下肢」とは足のことです。
血管には動脈と静脈がありますが、「静脈」は体の細胞が出した
老廃物や二酸化炭素を心臓や肺などに送る血管です。
そして「瘤(りゅう)」とは「こぶ」のことです。
つまり、「下肢静脈瘤」とは、足の静脈がこぶのようにボコボコになる病気、という意味です。
2.痒みが気になる人も!下肢静脈瘤の原因とは?
下肢静脈内の血液は、足先から心臓に向かって流れています。
つまり血液が「下から上へ」と流れているわけです。
血液という液体が、下から上へと流れるのは、2つの臓器が働いているためです。
1つはふくらはぎなどの足の筋肉です。
これが心臓と同様にポンプのように血液を押し上げているのです。
「足は第2の心臓」といわれる所以です。
もうひとつの臓器は、下肢静脈内にある逆流防止弁です。
足の筋肉が血液を押し上げた後に逆流防止弁が閉じるので、血液が逆流しないというわけです。
足の筋肉と逆流防止弁の2つの臓器で、足の血管を心臓まで持ち上げているのですが、
いずれも加齢によって衰えてきます。
これが下肢静脈瘤の第1の原因です。
また、理美容師や調理師、教師、販売員といった長年にわたって立ち仕事をし続けている人は、
若いうちに発症することがあります。
さらに妊娠、出産によっても、この逆流防止弁が壊れてしまうことがあります。
そのほか、体質や肥満なども下肢静脈瘤の原因に挙げられています。
逆流防止弁が壊れることによって、静脈内の血液が逆流したり、または逆流防止弁のあたりで血液がたまったりしてしまいます。
つまり足の血管のボコボコは、この「血管のたまり」なのです。
3.下肢静脈瘤は手術が必要な病気なのか?
軽症のうちは、専用のストッキングを日常的にはくことで、改善することがあります。
ストッキングの足を締め付ける力で、下肢静脈の血を足から心臓に持ち上げるのです。
市販されているストッキングでも効果はゼロではありませんが、
やはり医療機関で診察を受けて医療用のストッキングをはいた方がいいでしょう。
それ以上悪化すると、手術が必要になります。
壊れた逆流防止弁は修復することができず、そのまま放置していると、
そのこぶはどんどん大きくなります。さらにそのほかの場所にも異常が発生し、
瘤がますます増えていきます。
こうなると逆流防止弁が壊れている下肢静脈をふさぐ治療をしなければなりません。
4.従来の2種類の手術の問題点
これまでは次の2つの手術が主流でした。
ひとつめの「ストリッピング手術」は、血管を抜いてしまう治療法です。
全身麻酔または下半身麻酔をかけて行います。
日帰り手術も可能ですが、病院によっては2~7日程度の入院が必要になります。
それは、静脈を抜くときに知覚神経にダメージを与えてしまい、しばらくしびれた感じになることがあるからです。
その他、血管内にレーザーを当てて、血管を焼いてしまう「レーザー治療」もあります。
これは日帰り手術が一般的になっています。
しかし、いずれの手術も、皮膚の下で内出血する「皮下出血」や、
血液をつまらせる「血栓」ができたりすることが報告されています。
5.後遺症が出ない!?全く新しい治療法「スーパーグルー」とは!?
そこで登場したのが「第3の治療法」であり、
「手術ではないが手術並みの効果が期待できる治療」と呼ばれている「スーパーグルー治療」です。
ストリッピング手術やレーザー治療における後遺症が出ない、まったく新しい治療法です。
この治療を行っている医療機関のひとつに、東京都文京区の「東京血管外科クリニック」があります。
治療を担当するのは「下肢静脈瘤治療の第一人者」、榊原直樹先生です。
このクリニックは「下肢静脈瘤専門」をうたっています。
そしてホームページでは「手術以外には治療法がないと言われたらご相談を」と呼びかけています。
榊原先生は、金沢大学医学部外科において医局長を歴任した方です。
日本外科学会認定指導医、心臓血管外科専門医、日本循環器学会認定専門医など
多数の資格をお持ちです。
血管の手術に関しては、アメリカで表彰を受けたり、
パリで講演を行ったりするなど国際的に活躍していて、まさに日本を代表する「スーパードクター」といえるでしょう。
宇宙開発のJAXA(宇宙航空研究開発機構)にも在籍していたこともあります。
6.スーパーグルー治療の実態とは?
同クリニックに訪れた50代の男性患者は、
「立ち仕事をしています。2年前から足がだるかったりむくんだりして困っていました。
時々足がつることもあって。それとかゆみがひどくてね」と、下肢静脈瘤の症状を訴えていました。
男性患者の足のふくらはぎは、ところどころ膨れ上がりボコボコしています。
下肢静脈瘤であることはひと目で確認できます。
スーパーグルーの「グルー」は、接着剤の名称です。
これを血管内に注入して、血管を閉じてしまいます。
治療法としては極めてシンプルです。
先ほど申し上げた通り、「ストリッピング手術」は血管を抜きますし、
レーザー治療は血管をレーザーで焼きます。
こうした治療法と比べると、スーパーグルーはとても「マイルドな治療」といえるでしょう。
専門用語を使うと「侵襲が低い治療」といいます。
男性患者は手術室に自力で入室し、ベッドに横になります。
カテーテル手術で使うガイドワイヤーをふくらはぎの静脈に挿入し、
ガイドワイヤーの中にグルーを注入して、血管内に送り込みます。
そのほかの治療器具としては「グルーガン」があります。
この中にグルーが入っていて、グルーガンのレバーを1回引くと、0.3ccのグルーが押し出される仕組みです。
静脈のボコボコはふくらはぎだけに見られますが、
実は太ももの部分も壊れている可能性があるので、グルーはそこまで注入します。
グルーを注入し終えると、ガイドワイヤーを抜き、ガイドワイヤーを挿入した傷口を塞ぎ、
医師が静脈を1分ほど押さえつけます。接着剤の「付き」を良くするためです。
これで終了です。手術は最短10分程度で終わります。
男性患者は手術ベッドから起き上がり、「この後、仕事に行きます」と言いました。
手術を終えた榊原医師も「どうぞどうぞ」と見送りました。
治療から1週間後、男性患者のふくらはぎのボコボコはきれいになくなりました。
「かゆみもなくなった」とのことです。
このスーパーグルー接着剤療法は、まだ医療保険の対象外です。
治療費は、下肢静脈瘤の状況によって30万円または80万円となり、全額患者負担となります。
それでも同クリニックには多くの患者が訪れているそうです。
7. あなたは大丈夫?下肢静脈瘤チェック!
最後に、東京血管外科クリニックがつくった下肢静脈瘤の自己チェックリストを紹介します。
下の□に1つでもチェックが入ったら、下肢静脈瘤の疑いがあり、医療機関での検査がすすめられています。
□靴下の跡が残る
□夕方になると靴やブーツがきつくなる
□朝になっても足のむくみが取れない
□夜中に足がつることがある
□最近、足の血管が透けて見えるようになった
□クモの巣のような細かい血管が浮き出て見える
□足首やふくらはぎ、太ももの内側に血管が浮き出てボコボコしている
□足にかゆみや湿疹がある
□足に黒っぽく(または、茶色っぽく)色がついている
□親族に下肢静脈瘤の人がいる
8.まとめ
いかがでしたでしょうか?
TVで話題の最新治療、これまでいろんな病院でたらい回しにあっていた方や症状にお悩みの方にとっては目を見張るような内容でしたね。
患者さんのために全力を尽くす、日本が世界に誇るスーパードクターの今後に注目です。