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【医療機関監修】エコノミークラス症候群の4つの治療法

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よく耳にする「エコノミークラス症候群」
症状を悪化させないためにもどんな治療法があるのかあらかじめ知っておくことは非常に大切です。今回はその治療方法について、専門医療機関へ取材をし、まとめました。


1、エコノミークラス症候群とは

「エコノミークラス症候群」という言葉を、東日本大震災以降、新聞やニュースで目にした人も多いのではないでしょうか。

エコノミークラス症候群は、飛行機に乗った時だけだと思われがちな病気ですが、
日常生活でも同じ姿勢座ったまま足を動かさないでいると起こる可能性があります。

震災での避難よって車中でも起こり命を落とした方もおりますので、気づかずに放っておくと命に関わることもあるとっても恐ろしい症状です。

1-1, どんな症状か?

長時間同じ姿勢や態勢でいることにより、手足の静脈の中で血液が固まってしまうことがあります。

この病気を「深部静脈血栓症」と呼び、ここでできた血液の塊(血栓)が血管のなかを流れて肺の動脈に詰まる病気が「肺血栓塞栓症」です。

「深部静脈血栓症」と「肺血栓塞栓症」は連続し手引き起こる病気で、

この2つの病気を合わせて「静脈血栓塞栓症=エコノミークラス症候群」と呼んでいます。主な症状としては呼吸困難、胸痛、失神、動悸が挙げられます。

1-1-1, 肺血栓塞栓症(はいけっせんそくせんしょう)とは?

肺血栓塞栓症(Pulmonary embolism)とは肺動脈に血栓が詰まる疾病のことです。

この血栓は約9割以上が脚の静脈内にできます。この足にできた血栓が肺動脈に運ばれて詰まってしまうことによって肺血栓塞症は引き起こされます。

 

1-1-2, 深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)

深部静脈血栓症(Deep vein thrombosis)とは深部静脈に血栓ができてしまう疾患のことです。

深部静脈とは筋肉の中を通る静脈です。深部静脈血栓症の主な原因となる足の深部静脈
は、血液を心臓に届ける太腿やふくらはぎの大静脈のことを指します。

1-2, 発病する原因は?

エコノミークラス症候群と呼ばれることからもわかる通り、長時間同じ姿勢を続けることで、下肢が圧迫されることにより引き起こされます。また乾燥、低気圧も主な原因になります。

低気圧、乾燥による水分不足で血液の粘度が上がってしまい、その血管を圧迫することによりうっ血(血栓が発生)し、それが肺動脈に詰まってしまうのです。

そのため同じ姿勢で長時間過ごすという点では同じであっても、バス等に比べ、気圧の影響を受ける飛行機で特に起きやすい疾病症なのです。

1-2-1, 長時間同じ体勢でいる

上記の通り、長時間同じ姿勢を保持することによって、下肢が圧迫され血栓が発生します。飛行機やバスなど、長時間同じ姿勢で座ったままでいると、足の血管に少しずつ血液がたまり、ひざの裏や太ももの奥にある静脈に血のかたまり(深部静脈血栓)ができます。

血液は、筋肉の収縮運動で足から心臓に戻るのですが、長時間座ったままで足を動かさないままでいると血液の流れが滞って、血液のかたまりができやすくなります。

 

1-2-2, 脱水

水分不足も血栓が発生する大きな要因です。

人間は身体の水分が一定以下になると血液がドロドロとしてきます。

サラサラな低粘度血液よりも、ドロドロの高粘度の血液のほうが詰まりやすいのは理解しやすいと思います。

 

1-2-3, 乾燥や気圧

体内の水分が蒸散してしまうため、乾燥や低気圧も水分不足の原因になりますが、実は低気圧も大きな影響を与えます。

気圧というのは大気の圧力です。上空に行くほどに低くなります。体内の水分は液体です。液体は流動的で、圧力の低い方へ流れます。よって低気圧は水分不足に影響するのです。

人間の体は成人で約60%もあるため、思った以上に気圧の影響を受けやすいのです。

 

2, 症状に気づいたらどうする?

ここまでエコノミークラス症候群の症状について紹介させていただきましたので、

もしその症状が現れてしまった場合はどのように対処すればいいのかを紹介させていただきます。

 

2-1, 病院へ行く

エコノミークラス症候群は特有の症状が少なく、自覚症状のみでこの病気を疑うことは困難です。

ただし、主な症状は呼吸困難である為、少しでも思い当たる症状がある時はすぐにでも病院へ行くことをおすすめします。

 

2-1-1, 病院選びのポイント

医療機関へ取材を行ったところ、エコノミークラス症候群は胸部(肺動脈)の病気なので、循環器内科、心臓血管外科(循環器外科)のある病院で診察を受けることがベストだという回答でした。診断はCTで行うことが多いらしいのですが、国内の総合病院であればほとんどのところにCTの設備がありますので、診断の観点からは特殊な病院を選ぶ必要はありませんが、肺塞栓症の治療まで行うとなると一定以上の規模の病院である必要があることや、一刻も早く治療を行う必要があるためその点に注意が必要です。

病状によっては緊急での治療が必要で、カテーテル治療後も集中治療室で引き続き治療を行うことになります。ですので、入院施設のある総合病院や大学病院などの病院で、循環器疾患の診療体制が整っている病院であることが望ましいです。

3, 治療方法

内科的に薬剤を投与する方法と外科的に血栓を直接取り除く方法があります.

3-1, 薬剤投与

内科的に薬剤を投与する方法がこれにあたり、主に抗凝固療法と血栓溶解療法があります。

 

3-1-1, 抗凝固療法

血栓が小さい場合、血栓がこれ以上大きくならないようにする薬を使った治療方法です。

肺は元々血栓を溶解する機能が高い臓器である為、小さな血栓であれば数週間から数カ月で溶解することができます。ヘパリンという薬剤を使用し、経過を観察します。

 

3-1-2, 血栓溶解療法

血栓が大きい場合や詰まった血管が広範囲の場合など抗凝固療法では治療が困難な場合に、詰まった血栓を積極的に溶かす治療方法です。ウロキナーゼ、組織プラスミノーゲン・アクチベーターといった薬剤を使用します。ただ血栓溶解療法にはデメリットがあります。

出血しやすくなったり、深部静脈血栓が残っている場合、それを肺動脈に飛ばし更に症状を悪化させることがあります。

その為これらのデメリットを上回るメリットがある場合にのみこの治療法は行われます。

 

3-2, 血管内治療法(IVR)

外科的に直接取り除く方法がこれにあたり、血管内治療法と手術療法があります。

血管内治療法はカテーテルを肺の血管に通し、詰まっている血栓を吸引又は粉砕する方法です。ただしこの血管内治療法は高度な技術、設備が必須の為、どこの病院でも簡単にできる治療方法ではありません。

 

3-4, 手術療法

肺血管内にある血栓を手術で取り除くのが、外科的摘徐術になります。

急激かつ広範囲の肺塞栓により生命の危機に瀕している場合に手術にて血栓を取り除きます。また、また薬物療法が効かず病状が悪化する場合にも手術が検討されます。

 

 6, エコノミークラス症候群にならない為の予防と対策

狭い空間でもできる、エコノミークラス症候群を予防する方法をご紹介します。

 

6-1, 日常生活での予防方法

エコノミークラス症候群にならないよう普段の日常生活から行えることです。

6-1-1, 水分を摂取する

水分不足が血栓発生の大きな要因です。

喉が渇いてからではなく、こまめに水分を摂取するようにしましょう。

6-1-2, 血液をサラサラにする

血栓が発生しないよう血液をサラサラな状態にしましょう。

血液をサラサラにする方法には、食事、運動、サプリメントや健康食品等ありますが、血液をサラサラにするには、日常的に適度な運動をしたり、規則正しい生活をする、アルコールの摂りすぎやたばこを控えるなど、生活面において配慮することが大切になってきます。

 

6-2, 飛行機などの動けない場所での予防方法

長時間同じ姿勢でいなければいけない時に行える予防方法を紹介させていただきます。

 

6-2-1, 足を動かす

一時間に一度はトイレの場所まで歩いたり、座席から立ち上がるなどをして身体を動かすことを意識しましょう。立ち上がり、少しでも運動することで、血液の圧迫を一時的に開放することができます。

通路側の座席でない場合、立ち上がりにくいこともあるのでその際は座ったままで、足首を伸ばしたり曲げたりゆっくりと回すことや、つま先立ちをしてかかとを上下に動かすことを行いましょう。

6-2-2, こまめに水分を摂取する

人間は身体の水分が一定以下になると血液がドロドロとかたまりやすくなるので、血液のドロドロ状態を防ぐには定期的な水分補給をする事が大切です。こまめな水分補給を心がけましょう。

ただしアルコール、コーヒーといった利尿作用のある飲料は控えるようにしてください。脱水症状を助長します。水分補給の際は水やスポーツドリンクがお勧めです。

 

6-2-3, 弾性ストッキングを着用する

足のむくみ予防として、日常的にも着用している方も多い弾性ソックスやストッキングは、適度な圧力を加えることで足の静脈をスムーズにすることをサポートしています。

エコノミークラス症候群を予防するための医療用弾圧ストッキングも開発されています。

今回取材を引き受けてくれた医療機関では、医療用弾性ストッキング 「JETLEGS ®」がおすすめということでした。一般医療機器として認定を受けている商品で、高い圧迫圧を誇るそうです。

市販の弾性ストッキングとの大きな違いは、高い圧迫圧です。足首から段階的に圧迫することで、脚の静脈の血液が下から上に心臓方向へ流れやすくなり、血流をスムーズにしてくれます。

素材には「ハイテク高伸長繊維:ライクラ(LYCRA)」を使用しているので、履きやすく、脱ぎやすくなっています。

さらにお手軽価格でコンパクト、エコノミークラス症候群対策の血栓予防に最適です。

ベノサン災害用

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6-2-4, ゆったりした服を着用する

体を締め付けるようなファッションは血流を妨げ、エコノミークラス症候群へのリスクを上げるとされています。できるだけゆったりとした服装を心がけましょう。

ベルトを緩める、靴を脱いでスリッパに履き替えるなども効果的です。

7, まとめ

エコノミークラス症候群は直後に発症する場合から2週間後という場合もあります。

何か異変を感じた際は早めに医療機関の診断を受け、最悪のケースに至らないようにしましょう。

 

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