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誰でも発症の可能性がある!肺血栓塞栓症の仕組みとは

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肺血栓塞栓症は人口10万人に対して6.2人がかかるといわれている病気です。

健康な状態の人でも発症する場合があり、最悪の場合死に至るという日常生活に潜む恐ろしい病気なのです。本記事では肺血栓塞栓症とはどんな症状なのか、簡単に行える予防策をお伝えしていきます。

目次

1, 肺血栓塞栓症とは?

血液は血流が悪くなり、流れが停滞すると凝固して血栓ができやすくなります。

血栓というのは血のかたまりです。

航空機などで長時間座ったままでいることで、下肢の血液が滞り、血栓が生じて発症する「エコノミークラス症候群」が有名です。

また、手術後や重症な病気のため寝ている時間が長くなる入院中も発症しやすくなります。

他にも遺伝、様々な疾患、薬剤、加齢などによって血栓が生じやすくなることがあります。

1-1,  原因

最も多い原因は下肢の静脈にできた血栓です。

先ほども紹介したように、長時間同じ姿勢でいることで静脈の血液の流れが悪くなり、血栓が生じ血栓が肺動脈に詰まってしまうことが原因です。

 

1-2, エコノミークラス症候群

肺血栓塞栓症は、別名「エコノミークラス症候群」と呼ばれる病気の一種です。

この名前でなら聞いたことがあるのではないでしょうか?

飛行機のエコノミークラスのような狭い空間で長時間同じ姿勢でいることが、血流を停滞させ血栓が生じます。

機内ではトイレに行かないようにと、水分を控えることが脱水症状を引き起こし、さらに血栓を作る原因を作ってしまします。

機内ではなく、デスクワークや震災時の避難生活でも起こります。

熊本地震では避難生活での車中泊にて死に至ってしまった方や複数の重体例が報告されています。

 

2, 症状

肺血栓症の早期発見の為に、どのような症状がでるのかをお伝えします。

もし、気になる症状があった際は早め医療機関の診察を受けることをおすすめいたします。

 

2-1, 息苦しくなる

肺塞栓症で一番多い症状が息苦しさです。

突然、呼吸が苦しくなり、普段であれば、問題なく上れた階段や上り坂で、息が切れ、途中で休まないと、それ以上動けなくなってしまいます。

肺動脈が血栓で詰まるので、動脈血中の酸素濃度は低くなります。

心臓は酸素不足を補うため、頻繁に血液を送り出し、安静にしていても脈拍が増え、1分間で100回以上となることも珍しくありません。当然、呼吸回数も増加します。

このように、肺はたくさんの酸素を取り込もうとし、心臓は酸素をなんとか体に行き渡らせようとすることで息苦しくなります。

 

2-2, 胸痛

息苦しさの次に多いのは胸痛です。

息を吸うときの鋭い痛みで、胸膜炎のような痛みです。

肺動脈の血液が急にせき止められたため、肺動脈内の圧が上昇し、

肺血管が太くなることや、血圧が下がり、心臓を養う冠動脈の血流が少なくなることも原因となります。

その場合は、前胸部の漠然とした痛み、胸部圧迫感・不快感といった胸痛を生じることもあります。

 

2-3, 失神、ショック

失神、ショック症状になる場合もあります。

心臓から流れる血液量が減って血圧が低下することや、神経反射の影響が原因と考えられています。

病状が極めて重い場合は、突然死に至る可能性もあります。

 

2-4, 足のむくみ、皮膚の色の変化

肺血栓塞栓症の直接的原因の多くは「深部静脈血栓症」なので、深部静脈血栓症の症候である、下肢の腫れ、むくみ、痛みが現れる事が多いです。

同じような症状はほかの病気でも起こりますが、特に片側の足に症状が出た場合は、全身性の病気による症状ではなく、深部静脈血栓症が原因である可能性が高くなるので注意した方がいいでしょう。

 

3, どこで起こりやすいのか?

血液が固まりやすい、静脈内血液の流れが悪い、静脈が傷ついているという状態が、血栓を生じさせ、静脈血栓塞栓症を起こしやすくします。

これらの状態は、誰でも日常生活で起こる可能性があるので注意が必要です。

 

3-1, 長時間同じ体勢を続ける

長時間同じ姿勢を保持することによって、下肢が圧迫され血流が悪くなることで、血栓が発生します。飛行機やバスなど、長時間同じ姿勢で座ったままでいると、足の血管に少しずつ血液がたまり、ひざの裏や太ももの奥にある静脈に血のかたまり(深部静脈血栓)ができてしまいます

血液は、筋肉の収縮運動で足から心臓に戻るのですが、長時間座ったままで足を動かさないままでいると血液の流れが滞って、血栓ができやすくなってしまいます。

 

3-2, 入院中

肺血栓塞栓症を起こした方を調べてみて、約半数の方が入院中にこの病気にかかっていたというデータがあります。

具体的には手術後、けがや骨折の後、活動性のがんなどで4日以上寝たきりの状態だった方です。

動かないでいることで下肢の血流が滞ったことで血栓が生じ、ベッドで寝たままの安静期間が終わり、起きて歩き始めた時に、血栓が血液を移動し肺血管まで呼吸困難、もしくは失神を起こすのが肺塞栓症の典型的なケースです。

入院中でなくても妊娠中や、巨大な子宮筋腫がある方、ギプス固定されている方、がんの治療中の方は、肺血栓塞栓症にかかる危険性は高まります。

脳梗塞や脳出血の後遺症である下肢のまひでも、脚の筋肉が動かないので静脈は拡張し、流れが遅くなることで、まひ側の足に深部静脈血栓ができやすくなってしまいます。

 

3-3, 避難場所

熊本地震の避難者の9%に血栓症の発生があったという報告もあります。

狭い場所での避難生活、水分の不足、トイレ環境が整っていないことから水分摂取を控えたり、車中泊を行うということが血流を悪くし血栓症の原因となってしまうからです。

 

4, 予防方法

誰でも起こる可能性のある肺血栓塞栓症ですが、予防を行うことができますので、すぐに実践できる予防方法を紹介させていただきます。

 

4-1, 長時間同じ体勢の予防

長時間同じ姿勢でいないといけない場合は、足を動かすことと水分をこまめに摂取することを意識しましょう。

立ち上がり歩くことがベストですが、それが行えない場合は座ったままでも足を動かすようにしましょう。

血流が悪くならないよう、締め付け感のある服装を避けることをおすすめします。

 

4-2, 手術後の予防

安静にしていないといけない状態では、無理に動いたり足を動かせないと思うので、そんな時には弾性ソックスがおすすめです。

弾性ソックスはむくみのケアの為に着用される方も多いと思いますが、その弾性ソックスが肺血栓塞栓症の予防になるのです。

弾性ソックスがなぜ予防になるのかというと、足首からふくらはぎにかけての血液の流れをサポートしてくれるからなのです。

 

4-3, 避難場所での予防方法

避難場所では日常以上のストレスがかかることもあり、肺血栓塞栓症が発症してしまうリスクが高くなります。

トイレを我慢するために水分をとらないということはないよう、こまめな水分補給を行い更にリスクの高まる車中泊は避けた方がいいでしょう。

ここでもおすすめしたいのが、弾性ソックスを着用することでして、実際に熊本地震の避難場所でも弾性ソックスが配布されています。

狭い場所で動かないことで、血流が悪くなってしまうことが予測されますので、防災用品として弾性ソックスも用意しておくことをお勧めします。

弾性ソックスはむくみ防止だけではなく、肺血栓症の予防にも効果があり、飛行機などでの長時間の移動や避難場所での使用も注目されています。

「エコノミークラス症候群予防」の為に開発された弾性ソックスがありますので紹介させていただきます。

医療用弾性ストッキング 「JETLEGS ®」は一般医療機器として認定を受けている商品で、高い圧迫圧を誇り、市販の弾性ストッキングとの大きな違いは高い圧迫圧です。

足首から段階的に圧迫することで、脚の静脈の血液が下から上に心臓方向へ流れやすくなり、血流をスムーズにしてくれることで血栓の発生を予防してくれます。さらにコンパクトサイズなので、持ち運びや防災グッズとして備えておきやすいですね。

<公式サイトで詳細を確認する>

5, まとめ

健康な人でも血流が悪くなることで、血栓が生じてしまい肺血栓塞栓病になってしまう恐れがあります。

予防を行うことが重要ですが、もし何らかの異常を感じた場合は医療機関の診断を受け、早期に治療を行うことが最悪のケースを避けることになります。

ですので、本記事で紹介させていただいたような症状を感じた際は早めに対処するようにしましょう。

 

 

 

 

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