着圧ソックスと弾性ストッキングの違い
目的・ターゲット・圧力単位(hPa/mmHg)の違いをやさしく解説します。
1. 目的の違い
着圧ソックス(一般向け)
いわゆる「美脚ソックス」。主に足を細く見せたい・疲労を軽減したいといった美容・リラクゼーション目的で使用されます。段階的に圧力をかけ、むくみ対策や立ち仕事・デスクワーク後のだるさ軽減を狙います。
ターゲット:
皮膚表面への軽いサポート
弾性ストッキング(医療用)
静脈の血流を正常化させるための医療機器。足の血管に適切な圧力を加えて静脈に作用し、血管径を適度に細く保ち、逆流を防ぎ、静脈還流を促進します。
適応例:下肢静脈瘤・慢性静脈不全・リンパ浮腫・エコノミークラス症候群などの治療/予防。
ターゲット:
血管そのもの(静脈・リンパ流)
2. 圧力単位の違い(hPa と mmHg)
日本で一般的な着圧ソックスは ヘクトパスカル(hPa) 表記、医療用の弾性ストッキングは血圧と同じ ミリメートル水銀柱(mmHg) 表記です。血管に対する圧力を正確に管理するため、医療用は mmHg を使用します。
単位換算の目安: 1 mmHg ≒ 1.33 hPa
例)20 hPa ≒ 約 15 mmHg
つまり、「20」という同じ数字でも、20 hPa と 20 mmHg は圧迫圧がまったく異なるので、比較する際は単位を必ずご確認ください。
(表記例)
例えば「20ヘクトパスカル」と表記されている着圧ソックスは、たった約15 mmHgしかありません。
3. 海外での呼び方
- 美容・軽度サポート目的:Support Stockings(サポートストッキング)
- 医療目的:Compression Stockings(コンプレッションストッキング)
まとめ
着圧ソックス:皮膚表面へ軽く作用する美容・疲労軽減用(主に hPa 表記)
弾性ストッキング:血管を直接サポートして血流を改善する医療機器(mmHg 表記)
→ ターゲット(皮膚表面 vs. 血管)と単位が異なるため、使用シーン・効果・選び方が変わります。


