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あなたは万全ですか?エコノミークラス症候群の生活習慣対策8選

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皆さんは、「エコノミークラス症候群」という言葉を耳にしたことはありますか?

東日本大震災や数々の震災では、避難所や車中泊の被災者の方が「エコノミークラス症候群」により亡くなってしまった、といったニュースで身近に感じた方も多いのではないでしょうか。

ここでは、その「エコノミークラス症候群」の基礎知識のおさらいと、エコノミー症候群発症のリスクを軽減する為の対策を紹介いたします。
このエコノミークラス症候群、日頃から発症前に行っておくべき対策が肝心ですので、ぜひチェックをお願いいたします。

1, エコノミークラス症候群とは?

エコノミークラス症候群は、その名の通り、飛行機のエコノミークラスのような狭い空間に長時間座っているなど、同じ態勢で過ごすことによりおこる病気です。

もちろん、エコノミークラス以外でもビジネスクラスや新幹線、バスやデスクワークといった場所でも起こる可能性はあります。

エコノミークラス症候群は、日常生活でも同じ姿勢座ったまま足を動かさないでいると起こる可能性があるという、実に身近で恐ろしい病気です。だからこそ、日頃から簡単にできる対策を知っておくことはとても重要なのです。

東日本大震災以降、地震や災害はいつ、どこで、誰の身に降りかかるか分からないものとなっています。被災してしまったときにも、ここで挙げる予防法を事前に知っておけば、パニックに陥るリスクは軽減されるでしょう。

1-1, 症状

長時間同じ姿勢や態勢でいることにより、手足の静脈の中で血液が固まってしまうことがあり、この病気を「深部静脈血栓症」と呼びます。
ここでできた血液の塊(血栓)が血管のなかを流れていき、肺の動脈に詰まる病気が「肺血栓塞栓症」です。
「深部静脈血栓症」と「肺血栓塞栓症」は連続し手引き起こる病気で、この2つの病気を合わせて「静脈血栓塞栓症=エコノミークラス症候群」と呼んでいます。

主な症状としては呼吸困難、胸痛、失神、動悸などが挙げられますが、初期の段階では無症状の場合もあります。

 

 

1-2, どのような場所でおきるのか?

症状の名前の由来になっている飛行機のエコノミークラスのような、狭い空間で長時間座ったままといった“同じ姿勢で動かない”状況下で、なりやすいといわれています。
トイレ事情がよくないため、水分摂取を控えたり、避難所での生活、車での寝泊りで長時間同じ姿勢をとったりすることが多いため、避難生活でエコノミークラス症候群になる方が多くなります。


2,
原因

では、どのようなことが原因になるのか詳しく説明していきます。

2-1, 長時間同じ体勢でいる

長時間にわたって同じ姿勢のまま足を動かさないでいると、足の血管に血液が溜まってしまい、ひざの裏や太ももの深部にある静脈に血栓ができてしまいます。

立ち上がった際などに溜まっていた血液が動き出すことで、先ほどできてしまった血栓が血管内を移動し、肺まで流れると血管が詰まり胸の苦しさや息苦しさを感じます。

2-2, 脱水

人間は体の水分が一定以下になると血液が濃くなりドロドロとかたまりやすくなります。
例えば、避難所などでは トイレ事情も良くないため、敢えて水分を控えたり、トイレを我慢してしまう人も多いといわれています。

2-3, 乾燥や気圧

乾燥した室内では体内の水分が失われてしまいます。
機内や空調設備が整った室内は乾燥しているので、湿度が下がることで体から水分が失われてしまいます。
また飛行機の中は気圧の変化から水分が減り、大変乾燥しているため1時間に80ccの水分が体から失われてしまうという事が分かっています。

先ほど紹介したように「乾燥や気圧」は体の脱水を加速させることになるので、このような状態で水分を補給しないと、血液が濃くなってドロドロになり血栓ができやすくなります。

3, エコノミークラス症候群になりやすい要因

エコノミークラス症候群の原因である血栓ですが、できやすい人とそうでない人がいることが解明されています。
では血栓ができやすい人とは、どんな要因なのでしょうか?

3-1, 血管に傷がある

血液は24時間血管の中を流れ続けていますが、血管内皮が傷つき血管が異物と触れるとたちまち血液が固まり傷を修復させようとする作用があるので、外傷や骨折などで血管が傷ついてしまっている時や、手術後などは血栓ができやすくなります。

3-2, 生活習慣病

生活習慣病の症状と言えば「高血圧」「高血糖」「高コレステロール」が有名ですが、これらは全て血液が関係していて、血液がドロドロの状態になってしまっています。

血液中の糖や脂質(コレステロール)が高いと、血液が固まりやすく血栓ができる原因になります。

通常の生活においても血栓ができやすい生活習慣病患者の方は、長時間にわたって動きが取りにくい環境下ではより危険な状況にあるといえるのでしょう。

 

3-3 喫煙

タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ血流を阻害したり、血管の炎症を引き起こすことからも喫煙は血栓を作りやすくします。


3-4,
骨折等のけがをしている人

ケガで骨折や手術を受けたりすることが原因となり、血管が傷つき異物が混入して血液がかたまりやすくなります。

怪我や処置を受けている場合は、血栓ができやすくなっているので注意が必要です。

3-5, 下肢静脈瘤の人

下肢静脈瘤とは、静脈弁の異常から、足先に流れた血液が正常に心臓に戻ってくることができず、そこで滞留した血液が静脈の壁に当たることでコブのように膨張し、下肢部に現れる病気です。

下肢静脈瘤がある=エコノミークラス症候群になりやすいという、直接的な因果関係がありませんが、下肢の血管に病状を来す生活習慣的な共通点があるので、間接的に下肢静脈瘤があるとエコノミークラス症候群になりやすい可能性があります。

4, エコノミークラス症候群にならない為の予防と対策

エコノミークラス症候群は、最悪の場合、命に関わることがありますが、ある程度、生活習慣の見直しから、予防を行うことができます。

4-1, 適度な運動

血栓の予防は血流をよくする事ですが、その為には第二の心臓と呼ばれる足を動かすことが効果的です。
狭い空間で体を動かすことは難しい場合もありますが、狭い場所でも行える運動を紹介いたします。

 

4-1-1, 座ったままできるストレッチ

狭い場所であまり動けない場合にもできる足のストレッチです。

・足首
足首から足先を意識し、ゆっくり3回まわします。次に反対方向にまわします。
勢いよくまわすと足首を痛める場合があるので、ゆっくりとまわすようにしましょう。

・指先
足の指で、グー、チョキ、パーを作り足の指を動かします。

4-1-2, 姿勢

狭い畿内や避難所などでは、腕や足を組むことでその部分の血液が滞りやすくなる場合があります。
できるだけ、同じ態勢ではなく、伸ばしたり揺らしたり、動かすことを意識しましょう。
また車内などで寝る際は足を少し高くするといいでしょう。
体よりも少しだけ足を高くすると血液が溜まりにくくなります。

4-2, マッサージ

飛行機の機内のような狭い場所でもできる足のマッサージ方法を紹介いたします。

4-2-1, ふくらはぎのマッサージ

ふくらはぎを優しく下から上へ揉むようにし、足先から心臓へ向かって行いましょう。
ふくらはぎには、承筋・承山・承間と言うツボがあり、痛気持ちいい程度で押さえると足のむくみにも効果的です。
また、膝の後ろには、大きな血管やリンパ節があり、軽く指で押してあげると流れがよくなります。決して強く押さないように注意してくださいね。

>その他、機内でできるストレッチや予防法はこちら<

 

4-2-2, ペットボトルを使ったマッサージ

足首のあたりからふくらはぎに沿って動かすマッサージです。
中の血液(リンパ)を押し流すようなイメージで、「イタ気持ちいい」と感じるぐらいの強さで行いましょう。日常的な「むくみ」予防にも効果的です。

4-3, 弾性ストッキングを着用する

日常的に足のむくみ予防で市販の弾性ストッキングや着圧ソックスを使用されている方も多いのでないでしょうか?
足首からふくらはぎへ適度な圧力を加えることで、血液の流れをサポートしてくれます。
膝下までのソックスタイプから腰までのストッキングタイプなど種類も様々あるので、好みに応じた長さを選ぶことができます。

注意したい点は、生地にねじれや、よれなどがあると適切に圧が加わらず、逆に血流を滞らせてしまう原因にもなりますので、必ずサイズが合ったものを正しく着用しましょう。

また、被災地ではエコノミークラス症候群の予防として、「弾性ストッキング」が配布されたこともあり、NHKやニュースの記事でも取り上げられています。無償配布をしている専門の医療機関もあり、話題となりました。

4-3-1, 医療用弾性ストッキング

医療用弾性ストッキングは着圧が強いものや、特殊な編み込み方をしているもの、段階着圧になっているものが多いので、筋ポンプ機能をサポートすることに適しております。

価格は市販の弾性ソックスに比べると高価になることもありますが、着圧の強さや着圧が長続きするなど、長期間に使用できるメリットがあります。

>おすすめの弾性ストッキングについて詳しくはこちら<

4-3-2, エコノミークラス症候群予防の為の弾性ストッキング

様々な医療用弾性ソックスが販売されていますが、「エコノミークラス症候群予防」の為に作られている商品があります。

「JETLEGS ®」は一般医療機器として認定を受けている商品で、高い圧迫圧を誇り、足首から段階的に圧迫することで、足の静脈の血液が下から上に心臓方向へ流れやすくなり、血流をスムーズにしてくれます。

医療用ですが価格もお手頃でコンパクトなので、飛行機などの移動時に持ち込むもおすすめですし、震災や災害時の防災用品として一緒に備えておくこともおすすめです。

 

>公式サイトからの購入こちら<

4-4, ゆったりした服を着用する

体を締め付けるようなファッションは血流を妨げ、エコノミークラス症候群へのリスクを上げるとされています。タイトな服装ではなく、できるだけゆったりとした服装を心がけましょう。
補正下着やスキニーパンツなどの体を締め付けてしまうものは避ける方がいいでしょう。
ベルトやネクタイを緩める、靴を脱いでスリッパに履き替えるなども効果的です。

4-5, 水分をこまめにとる

人間は体の水分が一定以下になると血液がドロドロとかたまりやすくなるので、血液のドロドロ状態を防ぐには定期的に水分補給をする事が大切です。
喉が渇いていなくても、こまめな水分補給を心がけましょう。

4-5-1, 水分補給におすすめの飲み物

ミネラルウォーターやスポーツドリンクのような、適度に糖分が入っているものもおすすめです。
アルコールは逆に体内の水分を逃がしてしまう働きもあるので、できる限り控えましょう。
また、炭酸飲料は量の割に満腹感が出やすいのでおすすめはできません。

4-6, アルコールやカフェインを避ける

こまめな水分補給は大切ですが、コーヒー、緑茶、紅茶、烏龍茶、アルコール類は利尿作用があるので控えめがいいでしょう。
カフェイン入りの飲み物やアルコール類を飲む際は、必ず水分を一緒に摂るようにしましょう。

4-7, 禁煙する

タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ血流を阻害するほか、血管の炎症を引き起こすことからも血栓を作りやすくします。
日常から喫煙を行わないことが望ましいですが、喫煙者の方は長いフライトの前後は喫煙を控えることをおすすめします。

4-8, 睡眠薬は飲まない

睡眠薬で熟睡してしまうと、無意識に長時間同じ姿勢をとることとなり、さらにエコノミークラス症候群の発症率を高めてしまう恐れがあります。
さらに、睡眠薬の服用で下肢の筋肉がゆるむことで、静脈拡張を引き起こすために血液が停滞してしまう危険があります。
ですので、睡眠の際は睡眠薬を飲まずに寝る事をおすすめします。

5,まとめ

エコノミークラス症候群の様々な対策をお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか??
意外に簡単な方法ですぐに出来る事ばかりですよね。
日常と違った環境ですと、つい我慢してしまったり、人の迷惑を考えてしまいますが、
こまめな水分補給や足の運動を行い、エコノミークラス症候群を予防しましょう。

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