目次
1.エコノミークラス症候群とは?
日常生活の中で、発症する可能性のあるエコノミークラス症候群。
長時間の移動だけではなく、自然災害からの避難生活でも起こりうる病気です。
ここでは、エコノミークラス症候群の概要と、最も手軽にできる対策方法の一つである「弾性ソックス・ストッキング」について詳しく解説していきます。
1-1.エコノミークラス症候群の症状
エコノミークラス症候群の初期症状は、大腿から下の脚に発赤、腫脹、痛み等の症状が出現します。
このような症状が発生したら、急いで専門の医療機関を受診する必要があります。
最悪の場合、足にできた血栓によって、血液が肺に詰まってしまうと、胸痛、呼吸困難、失神等の症状に陥り、大変危険な状態になります。
1-2.エコノミークラス症候群になる原因
エコノミークラス症候群の一番の原因は「静脈の異常」で、血液が詰まってしまうことです。
静脈は歩いたりして起こる筋肉の収縮がポンプの役割となり、血液を循環させています。
長時間同じ姿勢でいると、静脈の循環が遅くなります。
その結果、流れが遅い血液が血清を固まりにし、ドロドロとした、血栓を作ります。
「エコノミー症候群」は、これが原因で、血液の流れが悪くなり、発症する病気なのですが、実は「かかりやすい方」もいらっしゃいます。
2.エコノミークラス症候群になりやすい人とは?
では、どのような方がエコノミークラス症候群になりやすいのでしょうか?
その特徴について、触れていきます。
2-1. デスクワークや立ち仕事
デスクワークや立ち仕事の方は同じ姿勢で何時間も過ごす事が多くなります。
そのため足の筋肉の収縮が少なくなり、血栓ができやすくなります。
2-2. 妊婦・出産直後の方
妊婦・出産直後の方は血管壁という壁が柔らかくなっています。
その影響で血液の循環が遅くなり、むくみやすくなったり、血栓ができやすくなったります。
2-3.災害の避難時
避難生活中は、運動不足や不安などから極度のストレスがかかってしまいます。
水分補給・車内泊をさける・数時間ごとに歩くなど足を動かす事を意識し、予防しましょう。
>エコノミークラス症候群になりやすい方について、詳しくはこちら<
3.エコノミークラス症候群の予防法
日常にリスクが潜んでいるのが、このエコノミークラス症候群。
では、どのようにこの病気にかからないように対策をすべきでしょうか?
3-1.運動
やはりエコノミークラス症候群の原因で多いのは同じ姿勢で何時間も過ごすことです。
散歩やストレッチを行い、足に血液がたまらないようにしましょう。
3-2.医療機関へ相談
長期の旅行の前など、事前に医療機関に相談しておくこともお勧めです。
ここで重要な点としては、必ず「静脈の専門病院」へ相談をすることです。
3-3.弾性ソックス・弾性ストッキング
とはいえ、日ごろから運動や医療機関への相談ができる方ばかりかといえば、もちろんそうではありません。
では、長時間の拘束を余儀なくされた場合に、何かできる対策はないのでしょうか。
そこで、皆さんに知っておいていただきたい予防法の一つが弾性ストッキングの備蓄・活用です。
この弾性ストッキングは、着用することで足の筋肉のポンプ機能をサポートしてくれる役割があります。
市販のものから医療用のものまで種類があるので、自分にあったものを着用することをオススメします。
特に、地震大国として防災への市民の意識が高い日本では、熊本地震などの影響から、自治体でこの弾性ストッキングを備蓄する市町村も増えてきました。
実は、地震当時、自治体が「車中泊を避難場所と想定していなかった」ため、不測の事態が発生してしまいました。それは、災害そのものによるものではなく、避難中にエコノミークラス症候群を発症し、亡くなる方が出てきてしまった、ことです。
急遽、足の血栓予防の弾性ストッキングが必要となり、東京からの支援物資で対応したというエピソードが話題にもなりました。
もし、車中泊避難になったら、弾性ストッキングの数日間の継続着用が必要となります。
非常時には、毎日交換して着用が出来ないため、何日間も履き続けたり、洗濯がままならなかったりすることも予測されるので、汚れが目立たないデザインの商品がお勧めです。
いざというときのために、ぜひ1足はこの「命を救う靴下の備え」である弾性ストッキングの備蓄がおすすめなのですが、何故いろいろな予防法の中でもおすすめなのか、詳しく紹介していきます。
4.災害対策に1足の弾性ソックス・弾性ストッキングを!
弾性ソックス・弾性ストッキングとは、着用することで足の静脈内のポンプ機能をサポートしてくれる役割がある靴下です。
弾性ストッキングを日常的に使い続けることによって、エコノミークラス症候群の予防だけではなく、下肢静脈瘤といった病気が原因となる足のむくみやだるさなどの症状を改善する効果があります。
「運動する時間がない」、「病院に行く時間がない」という方にとって、手軽に対策ができる弾性ストッキングはとても便利です。
4-1.弾性ストッキングがオススメの理由
弾性ストッキングをオススメする一番の理由は、運動する時間がない方、もしくは体が不自由で運動ができない方や、長時間身動きができない状況にいる場合など、誰でも手軽に始められるところです。
最近では、オンラインショップ等でも、手に入れることができ、とても簡単に対策を始めることができます。
4-2弾性ストッキングのメリット
弾性ストッキングのメリットは、“着用するだけ”で足の血液の流れを助けてくれる役割があることです。
運動や病院に行くのは少し時間がかかってしまいますが、履くだけでサポートしてくれる弾性ストッキングは、そう言った時間的なコストとしても、一番お手頃で、お守り役のような存在であると言えます。
4-3.弾性ソックス・ストッキングの注意点
唯一の懸念点としては、市販品や医療用など様々な種類のものが出回っているので、目的に合わせて適切な商品を買うことに悩まれる方も多い点です。
市販品は安いものもありますが、医療用の製品と比べ、着圧が弱く、耐久性が低い製品も多いため、早く買い換えないといけない場合があります。
災害による長期避難時等は、頻繁に買い換えることが難しいので、そう言った状況下にも備えて、良質な製品を選ぶ必要があります。
では、どのような製品を持っておくべきか、次の項目で紹介させていただきます。
4-4.弾性ストッキングの選び方
では、弾性ストッキングを選ぶときにどのようなことに注意すればよいのでしょうか?
まずは、靴下の「色」です。
実は、医療用の弾性ストッキングや寝る時に履くタイプの市販品の中には、白やベージュなどの製品も多いのですが、今回挙げたような「災害非難時」の対策用としては、暗めの色、黒やネイビーのものがオススメです。
緊急の避難時では、同じ服を何日も着たり、何日も洗濯できない日が続いたりします。
黒やネイビーなど、暗めの色を着用していれば、ちょっとした汚れも気にならずに使えます。
そういった意味で、次に、消臭効果や防臭効果がついているものがお勧めです。
そして出来る限り、医療用の製品を購入することをオススメします。
先ほどにも挙げたように、市販品でも無いよりは良いのですが、医療用と比べ、着圧が少なく、また劣化も早くなるため、緊急時の備えとしてより万全なのは、医療用製品であると言えるのです。
4-5.医療用と市販品の違いとは?
ここでは、医療用と市販品の違いを更に詳しく、説明していきます。
まず、市販品の弾性ストッキングです。
市販品の弾性ソックスは医療用のものと比べ手に入りやすいのが特徴です。
お近くのドラッグストアなどで簡単に手に入り、価格も医療用より、やや安いものが多いため、職場用、家用などの使い分けができるということで購入される方もいらっしゃるでしょう。
その一方で、医療用のものと比べて、着圧が弱く、医療用のものより早めに買い換えなければならない場合があります。
また、着圧が弱いため、重度のものになると効果が期待できない、といった面もあります。
次に、医療用の弾性ストッキングです。
医療用の弾性ストッキングは、各専門医療機関が監修や製造をしているものがほとんどです。
そのため、即効性が高く、着圧が高いものや、長期間の使用でも着圧が落ちないものなど、優秀なものが揃っています。
従来では、専門の医療機関に相談して、処方してもらうのが主流でしたが、最近ではインターネット通販でも購入ができる製品も増えてきました。
市販のものより、着圧が高いので、筋力の少ない女性の方や、高齢者の方には特にオススメです。
このような特徴を踏まえた上で、購入する製品を選ぶようにしましょう。
4-6.オススメの市販品弾性ストッキング
ここでは、市販品と医療用に分けて、それぞれ製品を紹介していきます。
まずは、市販品の弾性ソックスの紹介です。
4-6-1.ドクターショール フライトソックス(参考価格 税込2,160円)
着圧ソックスのメディキュットでおなじみのドクターショール社が販売している、フライトソックスです。こちらもブラック、ビジネスソックスのようなデザインなので、汚れが目立ちにくいデザインになっています。
段階圧設計になっており、ふくらはぎの着圧は19hpaです。
履きやすく、柔らかい仕様となっています。
現在は、Amazonや爽快ドラッグなどのインターネット上で購入ができるようです。
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4-7.オススメの医療用弾性ソックス
次に、医療用弾性ソックスの紹介です。
4-7-1,ベノサン JET LEGS (参考価格 税込2,700円/医療機器番号13B3X10094000007)
スイスの医療テクノロジーを活用し、高伸縮性素材などの素材にこだわり、履きやすさ・耐久性を実現した医療用弾性ストッキングです。
ゴムの7倍もの伸長性を持つという「ハイテク高伸長繊維であるライクラ(LYCRA)」を使用しており、履きやすく、着圧も強いため、即効性が期待できます。
また、従来の医療用の製品は、包帯のようなホワイトタイプが多かったのですが、こちらはブラックで、防臭効果もあるため、履き替えが困難な環境下用に開発された製品だそうです。
従来は専門クリニックでの販売のみでしたが、現在はインターネット通販でも購入できるようです。
いざという時に備えて、1足準備をオススメします。
>ご購入はこちら(Amazonの商品ページへリンクします)<
5.まとめ
エコノミークラス症候群は男女や年齢に関係なく、誰でも発症する可能性があります。
発症してから『予防しておけばよかった…』と後悔しても遅いのが、この病気の怖いところです。
長時間の移動やオフィスの仕事がある方はもちろんですが、今後、地震が起こり、避難所生活や社内での生活を余儀なくされるといった状況は、日本であれば誰にでも起きうるリスクでもあります。
「いざという時」が来る前に・・・1足はこういった弾性ストッキングを確実に持っておけば安心ですね。
家族全員の安全・安心のために、今からできる災害対策を実践していきましょう。