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突然死に至る病気!?エコノミークラス症候群の死亡例とは!?

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長時間、狭い場所で足を動かさずに同じ姿勢でいることで発症する「エコノミークラス症候群」。
国内では熊本地震で死者が発生したことでTV等で話題にもなった恐ろしい病気です。

飛行機やバス、新幹線での長距離移動だけでなく、震災時に避難所や車の中で窮屈な姿勢を取り続けていると、発症リスクが高くなるこの病気。

もう直ぐ夏休みで旅行をする方も、長時間移動の前にどういった時に発祥のリスクがあるのか、死に至ってしまうのかを把握し、事前に予防出来るようにしましょう。

 

1.そもそもエコノミークラス症候群とは?

飛行機で長時間旅行したあと、飛行機を降りて歩き始めたとたん、急に呼吸困難やショックを起こし、ときには亡くなることも・・・。
これが「エコノミークラス症候群」と呼ばれる病気の典型的なケースです。

テレビや新聞などで、これまで健康だった人が突然死を起こす病気の一つとして時々取り上げられていますので、この病気の名前を聞いたことがある方も多いと思います。

飛行機のエコノミークラスで旅行すると、長時間狭い椅子に座ったままの状態を強いられることが多く、足の血液の流れが悪くなり、静脈の中に血の塊(静脈血栓)ができることがあります。
この静脈血栓は歩行などをきっかけに足の血管から離れ、血液の流れに乗って肺に到着し、肺の動脈を閉塞してしまいます。これがエコノミークラス症候群です。
最悪の場合、突然死に至る病気として、1980年代から話題になりました。

この病気はエコノミークラスの乗客だけでなく、ビジネスクラス以上の乗客や、車の長距離運転手などにも発症することが知られてきましたので、「旅行者血栓症」とも呼ばれています。

2.エコノミークラス症候群の死亡例

ネーミングの通り、2000年にヒースロー空港でイギリス人女性が亡くなられた病気としても、「飛行機でのロングフライト時」に死亡例があると思われているエコノミークラス症候群。

実は、このエコノミークラス症候群によって症状が出た場合、死亡率14%、ショックを伴う重症例が30%という恐ろしい報告があります。

では、これまでにどのような死亡例があったのか、日本国内での実際の事例を見てみましょう。

2-1.飛行機でのロングフライトの場合

日本医科大・成田国際空港クリニックの調査によると、エコノミークラス症候群による死亡数は過去15年で計30人、重症も計116人になると言う報告があります。
これは2008年の調査ですが、軽症者は年間で約200人、2003年以後の死亡例はないとされていますが、これまでに死亡者は日本人21人、外国人9人に登るとされています。
死亡までは至っていませんが、重症者の事例として、日本人だけでも82人とされています。

この調査は全世界中ではなく、あくまで成田空港だけの調査ですが、実はこんなにも例があると言うことになります。
また、亡くなられた方の平均搭乗時間は12時間とされていますが、乗り継ぎ等も含め、8時間以上のフライトの際は、どんな方も十分注意をされた方がいいと言えるでしょう。

 

2-2.タクシー運転手の死亡例

更に、この病気の死亡例は飛行機だけではもちろんありません。

衝撃を受けるような事例ですが、実は、国内で2000年にタクシー運転手の方で、死者が出てしまった例があります。

この死亡例は、「長時間座り続けたことによるエコノミークラス症候群が原因」として、
大阪労働局から労災認定を受けたという驚くべき事例として一時期話題にもなりました。
エコノミークラス症候群をめぐる労災認定が明らかになったのは初めてのケースです。

現在では、営業所で休憩中など、極力運転中以外はストレッチをして予防されている運転手の方も多いそうです。

 

また、もちろんタクシーだけでなく長距離でのバス・トラック運転手の方も発症例が確認されています。ついつい集中して長距離運転中、体を動かさないという方は特に注意をしていただきたいと思います。

2-3.災害時の避難所・車中泊避難

エコノミークラス症候群の死者が出た震災として、2016年の熊本地震でのニュースが皆様も記憶に新しいのではないでしょうか。
実は、震災後のエコノミークラス症候群は、更に以前に起こった新潟県中越地震(平成16年)や、
東日本大震災(平成23年)でも発生し、問題になっていました。

震災時のエコノミークラス症候群が問題視された理由として、震災中の避難生活においての車中泊対策が十分でなかったことが指摘されています。

当時、自治体が「車中泊を避難場所」と想定していなかったことが浮き彫りとなり、現在では全国の自治体でも車中泊での死亡リスクを避けるため、医療用ストッキングを備蓄するなどの対策が取られてきています。

>熊本地震での死亡例について詳しくはこちら<

2-4.テレビの長時間視聴

2016年7月の日経新聞の記事によると、大阪大学のチームが約8万6千人のデータ解析で解明しテレビを長時間見ると、静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)で死亡するリスクが増加することを発表したそうです。

この調査によると、2009年末までにエコノミークラス症候群で死亡したのは国内で59人で、うち13人が5時間以上テレビを見ていたことが発表されています。亡くなられたケース以外の方にも調査を大規模で実施し、因果関係を調査した結果、
1日5時間以上テレビを見ると、エコノミークラス症候群の発症リスクが2時間半未満の2.5倍以上にまで上がるとの結果が出たとのことです。
脚を動かさず血流が滞り血の塊(血栓)ができたのが原因だそうですが、このようなケースを聞くと、全く他人事とは思えない病気ですよね。

 

3.どんな時に死亡リスクが高まるのか?

これまでエコノミークラス症候群の国内での死亡例を紹介してきました。
これらの死亡例の共通点としては、「長時間同じ姿勢でいる」ことにより、血流が滞ってしまうことです。
エコノミークラス症候群は長時間同じ姿勢でいるために血液が固まって発生する病気です。
つまり、血液が固まりやすい人は発症しやすくなるということです。

水分を摂らないなどで血液がドロドロ状態の人は、血流速度が健康な人よりも遅いので血流が停滞しやすく、血液が固まりやすくなります。
さらに妊婦や避妊用のピルを服用している女性はホルモンの変化で血液が固まりやすくなります。

また、じっとしている時だけでなく、その直後が一番注意が必要です。

長時間のフライトを終えた後、空港内を歩いていると突然息苦しくなり、胸が痛くなって倒れるということも起こり得ますし、また、旅行から帰った後1週間程度で発生することもあります。
これは血の塊である血栓が形成されて、時間が経って血管から血栓が剥がれるためです。

改めて考えてみると、無意識のうちについつい窮屈な場所で同じ姿勢でいるシチュエーション、皆様も日常で思い当たるシーンが多いのではないでしょうか?

 

4.旅行・災害前にできる!家族のための予防策

誰にでも起こりうる、エコノミークラス症候群。

一番の予防法としては、足の静脈に長時間に渡って、血液が停滞しないようにすればこの病気を防ぐことができます。

飛行機での死亡事例の場合、多くの方はトイレなども含めフライト中に一度も立ち上がらなかった方であるとも言われております。
予防のためには。特にデスクワークが続く方など、日頃から意識して、足を上下に動かすことも効果的です。

また、休憩中に歩いたり、運動をしたり、マッサージをすることで予防できます。
最近では医療用の弾性ストッキングという特殊な編み方で作られたストッキングも有効です。
履いているだけで血流を促進し、予防できるという手軽な方法なので、ぜひリスクに直面する前に家族の分まで揃えておくなど、準備をしておきましょう。

>医療用から一般品までオススメの弾性ストッキング比較はこちら<

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。
死亡例が話題にはなりますが、どのようなケースまで行くと死に至るのかわかりづらかったエコノミー症候群。
これまでの事例をもとに日頃から発症を予防できるように、この機会にぜひ予防策を検討してみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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