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【熊本地震】避難生活で要注意!車中泊でのエコノミークラス症候群を防ぐ!

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1.被災地で増加するエコノミークラス症候群

皆さんは、地震などの災害時に、東日本大震災で甚大な被害をもたらした津波や、家屋の倒壊以外に、身体に危険を及ぼす二次災害があるといえば、何を思い浮かべられるでしょうか。

2016年4月14日に発生した、熊本地震では、大規模な避難所施設の損壊による避難所不足や、
度重なる余震の恐怖などから、多くの方が「車中泊」による避難をされました。

その結果、実は、地震による揺れが無くなった数日後に、
51人が入院を必要とするエコノミークラス症候群を発症し、そのうち重症は5人で、
驚くべきことに1人が亡くなっています

残念ながら、日本では災害の度に、多くの方がエコノミークラス症候群にかかる、
という災害関連病の発症が繰り返されています。


2.
自治体が取り組むエコノミークラス症候群対策

熊本地震では、エコノミークラス症候群の死者が出た震災として、話題になりましたが、
実は、震災後のエコノミークラス症候群は、更に以前に起こった新潟県中越地震(平成16年)や、
東日本大震災(平成23年)でも発生し、問題になっていました。

では何故、熊本地震で再度、大きく取り上げられたのでしょうか。
ここではその理由と各自治体の対策について、紹介していきます。

2-1.車中泊の対応が十分ではなかった?熊本地震で分かったこと

熊本地震でエコノミークラス症候群が問題視された一番の理由。
それは、熊本地震では、震災中の避難生活においての車中泊対策が十分でなかったことが、
浮き彫りになったためです。

実は、当時、自治体が「車中泊を避難場所」と想定しておらず、
熊本県内などの関連自治体で、車中泊対策用の「弾性ストッキング」の準備がほとんどなかったと言われています

そのため、避難生活中の方の中で、エコノミークラス症候群の発生者が相次ぎ、足の血栓予防のための弾性ストッキングが必要となったということで、急遽、東京からの支援物資で対応をせざるを得なかったのです。

 

2-2.自治体によるエコノミークラス症候群対策

震災関連死の原因の一つとして、問題となったエコノミークラス症候群。
現在では、熊本地震での教訓を基に、その後に対策を追加した自治体も増えてきました。
現在、検討中という市区もあり、日本全国で徐々に広がりつつあります。

最近の具体例では、岐阜市も、自治体の予算で、弾性ストッキングの備蓄を目指していることが
ニュースにもなりました。
岐阜市の防災対策課によると、「震災時、市民には適度な運動やこまめに水分をとる重要性を呼びかけているが、市としては弾性ストッキングを備蓄し、まさかの時に備える方針」ということで、
不測の事態に備え、市の防災計画にエコノミークラス症候群の予防も盛り込まれている、事例と言えます。

3.エコノミークラス症候群と車中泊

日本全国、今や誰の身にも起こりうると言える震災と、避難生活。
避難生活を経験したことが無い方は、避難所と言えば地域の小学校などの教育機関や仮設住宅などを想定される方も多いかもしれません。

一方で、皆さんは、ニュース映像等で、
避難所の学校の駐車場などでずらりと並んだ車と出入りする人々の様子を見られた記憶がある方もいらっしゃるのでは無いでしょうか。

その映像は、まさしく、急遽発生する震災の中で、
自治体が事前に対策を講じていたとしても、様々な理由から車中泊を強いられている人が
多くいらっしゃることを意味しています。

ここでは震災中の車中泊とエコノミークラス症候群について、
具体的なシチュエーションと問題点に触れていきます。


3-1. そもそも何故、震災時に車中泊が増えるのか。

それでは何故、様々な避難生活場所の中でも、車内を選択する方が多いのでしょうか。
避難生活中に車中泊を続ける理由について、最も多いといえるのが「屋内の恐怖」です。

家屋の揺れや倒壊を経験しただけでなく、
さらに余震が続くケースでは、車内の方が揺れが小さく感じたり、
避難所などの屋内に居続けることへの不安が大きくなるため、車内に逃げ込む方も多いと言えるでしょう。

また、そもそも震災が発生した際、自治体が事前に想定していた避難所への誘導をしたとしても、
余震の影響等で想定より避難生活者が増加し、どこの避難所も満杯状態になってしまうということが、残念ながら多くの震災で起こっています。

上記のような、自治体指定の避難所に入りきれない場合は、どうするのでしょうか。

指定の避難所が満員となった場合、避難所に指定されていない公共施設、ホテル、ショッピングモールや、はたまたフェリーまでを急遽、避難所にして対応しているケースが多いのですが、それでも収容しきれないこともよく問題となっています。
その際、公共施設・避難所の駐車場に駐めた車の中での寝泊まりを余儀なくされたため方も多いと言います。

さらには、避難所はあるが震災により避難施設の窓が割れて損壊していた、
もしくは天井の一部が壊れ雨漏りがしているという場合、家族と共にその建物内へ逃げ込むのが怖くなり、車内へ逃げ込むというのも、想像できます。

こう言った避難所不足以外にも、プライバシーのない避難所のストレスを挙げる人、
幼い子どもやペットがいるために避難所の利用を遠慮している人、また、
避難中に体調が悪化したと訴え、車内にこもる人も多いそうです。

こういった理由から、被災地では車中泊が増加し、車中泊中に亡くなる人が相次いでいるため、
早急な対策が求められているのです。

3-2. 車中泊中にエコノミークラス症候群が起きやすくなる原因とは?

3-2-1.エコノミークラスの原因

狭い車内での長期に及ぶ避難生活。
足をゆったりと伸ばすことができないままの寝泊まりが続き、長時間同じ姿勢でいると、
血液の循環が遅くなります。

特に血液を心臓に戻してあげる静脈の流れが鈍ると、流れが遅い血液を固まりにし、
ドロドロとした血栓(血のかたまり)を作ります。

これがエコノミークラス症候群の原因です。

更には、この血栓の一部が血流に乗り、肺に流れ、肺の血管を閉塞してしまう危険があります。
この状態を「肺塞栓症」と言い、肺の一部が永久的に損傷し、命が危険に晒される可能性があります。

>エコノミークラス症候群の詳しい原因はこちら<

3-2-2.車中泊におけるエコノミークラス症候群の危険性

車中泊による避難では、窮屈な体勢を求められるだけではなく、
血栓の原因となるような水分不足も深刻な問題となります。

避難期間によっては、十分な水分補給ができないだけではなく、特に夏場であれば、
燃料を節約したり、そもそもガソリンの購入ができずに車内の温度調節ができず、
更に体内の水分不足を誘発する可能性も考えられます。

このような車中泊生活中は、必ず、こまめな水分補給と外に出てストレッチを日課としたり、
意識的な階段の昇り降りや、ふくらはぎのマッサージをするなどの対策を心がけましょう。

 

3-3.車中泊以外も要注意!避難所生活におけるエコノミークラス症候群

ここまで、車中泊による避難生活中のエコノミークラス症候群の危険性について、
具体的なケースを追って、取り上げてきました。

ここで、一つ重要なポイントとしては、
エコノミークラス症候群は車中泊だけが原因ではないということです。

熊本地震で話題となったように、「避難中は車中泊が危ない」という見方が広まっていますが、
同様に避難所生活であったとしても、長期間、同じ態勢で足をあまり動かさなければ、
エコノミークラス症候群が発症する可能性は高くなります

特に高齢者の方で、避難所で体を十分に動かすことができない方は、要注意です。
いざというときに「エコノミークラス症候群を防ぐにはどうしたらいいかわからない」という人も多く、「避難所で生活していれば安心」というわけではないのです

4.災害前に備えておきたい弾性ストッキング

もし、車中泊や長期の避難所生活になったら、どのようにして、エコノミークラス症候群を防げば良いのでしょうか。
手足をグーパーと動かす体操や、マッサージをしたり、寝ていても足を上下に動かしたりと、
とにかく血流が滞らないような対策が必要です。

また、その際に便利な予防グッズとして、「弾性ストッキング」があります。

履くだけで、足が圧迫されて血流がよくなり、血栓ができるのを防ぐというこの弾性ストッキングですが、元々は医療用として開発され、エコノミークラス症候群を予防する専用の靴下も製品化されています。
避難所では、予防効果が高いとされている「医療用」の弾性ストッキングの配布も行われており、
やはりこう言った専用のグッズの活用が手軽で、効果的と言えるでしょう。

特に最近では、インターネット上でもこのようなグッズが購入できるようになり、
市販品と医療用での価格差も大差がなくなってきました。

いざという避難生活に備え、自治体だけでなく、個人でも自分の身を守るために
このようなグッズを調べておくことが重要と言えます。
>エコノミークラス症候群を予防する弾性ストッキングの選び方についてはこちら<

 

5.まとめ

事前に知っていなければ、対策が難しい災害時のエコノミークラス症候群。
どのような場所での避難生活となった場合も、このような不慮の病気を防ぐために、
日頃から、実際の生活を想定して、防災対策を行うことが求められてきます。

また、その予防策の一つとして、命を救う靴下の存在があります。

冒頭に挙げたような自治体での備蓄や医療機関による無料配布もあるかもしれませんが、
多くても数千足の手配である可能性が高く、熊本地震のような数万人単位での避難生活者が出てしまう場合は、必ずしも十分な数のストッキングがあるとは限りません。

もし、可能であればこのような災害が起こってしまうその前に……。
企業や各ご家庭でも、ご自身や社員の皆様、家族の為にこのような予防グッズの備蓄や対策をお勧めいたします。

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