診察や手術をしてもらうなら、やっぱり名医と呼ばれるようなお医者さんにお願いしたい…
どんな病気であれ、そう思う患者さんは少なくないはずです。
そんな声に応えて、今回は下肢静脈瘤治療の第一人者である榊原直樹医師にお話を伺いました!
目次
1, 下肢静脈瘤とは?
下肢静脈瘤とは下肢部の血流が停滞することによって、それが瘤やむくみとなり表面に現れてくる病気です。治療が必要なものもあれば、そうで無いものもあり、手術の方法も様々ですので、自分の症状にあったものをしっかりと見極めることが大切です。
下肢静脈瘤を調べている方はこんな記事もよく読まれています。
<【徹底解剖】本当は怖い下肢静脈瘤!その原因と予防法を探る>
<【症例多数】抑えるべきは4つ!下肢静脈瘤を症状別に解説!>
2, 欧米と日本の治療格差
下肢静脈瘤の治療において、欧米と日本では大きな格差が存在します。
欧米で開発がされ、既に10年が経過しているような治療方法でも、日本では認可が下りないためにまだ保険の適用ができないケースや、そもそも日本の医師が欧米の最先端医療を学ぶ機会が少ないことなどが原因です。
つまり、下肢静脈瘤の最先端の情報や医療を受けようと思ったら、国際レベルの最新治療に精通した病院と医師でなければ難しいでしょう。
3, 下肢静脈瘤の第一人者「榊原直樹」医師
そんな中、下肢静脈瘤治療の第一人者と言われているのが「榊原直樹医師」です。
榊原先生は日本で治療をされているだけでなく、最先端医療を学び取り入れるために欧米での学会などに数多く参加。2013年にはアメリカの静脈学会での発表が評価され、世界的な下肢静脈治療の名医として有名なようです。
3-1, 榊原医師の経歴
榊原直樹(さかきばら なおき) 医師
1983年 金沢大学医学部卒業 金沢大学医学部外科学第一教室入局
1987年 米国クリープランドクリニック留学
1999年 金沢大学医学部外科学第一講座 助手・講師・医局長を歴任
2004年 江戸川病院着任 順天堂大学医学部非常勤講師
2015年 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
宇宙科学研究所 宇宙機応用工学研究系客員教授
4, 下肢静脈瘤について榊原先生へインタビュー
そんな榊原先生にみなさんが思う疑問を聞いてみました!
4-1, Q1:下肢静脈瘤とはどんな病気ですか?
下肢静脈瘤とは、みなさんの身体を「家庭」とし、動脈を「物資の運搬車」、静脈を「ゴミ収集車」と例えると分かりやすい病気です。まず、各家庭に必要な物資が動脈という物資の運搬車が運んでいきます。もちろん、各家庭で使われた物資はその後ゴミとなりますから、それを静脈というゴミ収集車が運んでいくわけです。では、ゴミの収集がお休みになる年末年始はどうですか?どの家庭にもゴミが溜まっていて散らかっている状態になると思います。これが「むくみ」の正体です。年末年始でのお休みや、交通渋滞や事故が起きてしまい、なかなかゴミを運んで行ってくれない。そうなるともちろん「溜まって」いくので「むくみ」が出ます。これが下肢部に発生し、重症化していくケースが下肢静脈瘤です。
4-2, Q: むくむが気になり始めたのですが、下肢静脈瘤でしょうか?
一概にそうとは言えないんです!
むくみの原因は多種多様に渡ります。下肢静脈瘤の場合もあれば水分の取りすぎの場合などもあります。
先日クリニックへいらした女性は足のむくみに悩みを持たれていて、重くなるだるくなるといった症状でご来院されました。色々とお話を伺うと、「水分の取りすぎ」が可能性としてあり得るなと。そこで水分を適度な量に調整し、2週間後にまた診察をしたところ、脚がすっと以前より細くなっていたんですね。そう言ったケースもあります。
一方で、下肢静脈瘤など重い病気のケースもあるので、この表に基づいてご自身で確かめてください。
特徴 | 全身性 | 局所性 |
押すとへこむむくみ | 肝臓病、薬剤性 心不全、肝硬変 女性ホルモン 過剰水分摂取、栄養障害 |
下肢静脈瘤 血栓症 大静脈症候群 炎症性 |
押してもへこまないむくみ | 甲状腺機能低下症 | リンパ浮腫 |
4-3, お医者さんに診察を受けに行く目安を教えて下さい
重大な病気が隠れている可能性もありますので、ぜひ一度医療機関へ相談に来ていただきたいのですが、診察にこれらる目安としては、「血管の大きな膨らみ」「ひざ下がむくむ」「赤く腫れて痛みがある」といった症状が挙げられます。放っておくと皮膚にまで症状が出てきてしまうので、その前に専門の医療機関に行くようにするといいと思います。
4-4, Q: 治療や手術の方法がたくさんあってわかりにくいです
そうですね、確かに色々な手術の方法があって分かりにくいかと思います。
まずは大きく分けると「硬化療法」と「それ以外の治療方法」にまずは分けられます。
硬化療法とは注射器を用いる治療方法ですが、これが適用できる下肢静脈瘤の種類には限りがあるんです。「それ以外の治療方法」には主に「ストリッピング手術」「血管内焼灼術」があります。
そして最後に「スーパーグルー治療」これは最先端医療の1つです。
どれを選ぶかは、患者さんのニーズによる部分が大きいので、この表をご覧くださいね。
要望 | 第一選択肢 | 第二選択肢 | 第三選択肢 |
痛みを避けたい | スーパーグルー | 最新レーザー | ラジオ波 |
皮下出血を避けたい | スーパーグルー | 最新レーザー | ラジオ波 |
血栓が怖い | スーパーグルー | 最新レーザー | ラジオ波 |
弾性ストッキングが履けない | スーパーグルー | – | – |
静脈が太い | スーパーグルー | 最新レーザー | ストリッピング |
静脈が皮膚から近い | ストリッピング | スーパーグルー | 硬化療法 |
蛇行が強い | ストリッピング | 硬化療法 | 最新レーザー |
費用を安く抑えたい | ストリッピング | ラジオ波 | 最新レーザー |
4-5, スーパーグルー治療について教えて下さい
スーパーグルー治療はすごいですよ。
欧米では数年の歴史がある治療法ですが、まだ日本では東京血管外科クリニックでしか治療を受けられません。これまでの治療方法はどうしても皮下出血などの後遺症の可能性があった。でもこの治療ではスーパーグルーという接着剤を用いて瞬時に血管を塞いでしまうため、手術時間も短いし、何より後遺症の発生率が非常に低い治療法なんです。これからの下肢静脈瘤手術においては、スーパーグルーを選ばれる患者様も多くなると思います。
ただ、もちろん患者様のニーズによっては他の治療の方が優先されるケースもあるので、いろいろな選択肢を知った上で適切な選択をしてもらえればと思います。
4-6, 榊原先生の検診や治療はどの病院で受けられますか?
東京都文京区の東京血管外科クリニックや、東京都江戸川区の江戸川病院で下肢静脈瘤の検診や治療をしていることが多いです。ご不安に思われる症状がありましたら是非一度いらしてください。
5, おすすめの病院
最後に病院にかかる場合に気をつけなければいけないことや、おすすめの病院を紹介いたします。
5-1, 病院の選び方とおすすめの病院10選
何科に診察にいけばいいのか、どんな治療を受けられるのか、おすすめの病院はどこなのかは
<【ドクター推薦】下肢静脈瘤の専門病院 10選!特徴まとめ>
6, まとめ
今回は名医、榊原先生へインタビューもしてみました。
正しい知識を持って、適切な治療を選択できるようになりましょう。