目次
1.本当は怖いエコノミークラス症候群
長時間、同じ体勢で座り続けていると起こると言われている、エコノミークラス症候群。
飛行機で長時間旅行したあと、飛行機を降りて歩き始めたとたん、急に呼吸困難やショックを起こし、ときには亡くなることもある、というニュースを耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
これは、「エコノミークラス症候群」と呼ばれる病気の典型的なケースです。
もしかしたら、皆さんの中には、エコノミークラス症候群という名称から、「飛行機に乗らなければ発症しない」、もしくは「トイレなどで移動しているから発症しないだろう」と思われている方も多いかもしれません。
しかし、実際には、日本国内でも年間数千名の方が発症し、症状が出た場合、死亡率14%という報告もあります。
発症すると怖いけれども、予防は簡単にできるエコノミークラス症候群。
今回は、その病気のおさらいと、予防法におすすめな製品・弾性ストッキングの仕組みをご紹介します。
2.エコノミークラス症候群とは?
1980年代から話題になったエコノミークラス症候群。
その名称からはあまり重い病気のようには聞こえませんが、どのような病気なのでしょうか。
ここからは、その仕組みと正式名称について、簡単に概要をご紹介いたします。
2-1.エコノミークラス症候群の仕組み
飛行機のエコノミークラスでの旅行など、長時間、狭い場所に座ったままの状態を強いられることが多く、足の血液の流れが悪くなり、静脈の中に血の塊(静脈血栓)ができることがあります。
この静脈血栓は歩行などをきっかけに足の血管から離れ、血液の流れに乗って肺に到着し、重症になると、肺の血管をこの血の塊が塞いでしまいます。
これがエコノミークラス症候群です。
2-2.エコノミークラス症候群の正式名称
エコノミークラス症候群は、正式名称としては、静脈血栓塞栓症と呼ばれ、症状の名称として、深部静脈血栓症(DVT)・肺血栓塞栓症の2つの名称で呼ばれています。
旅行者血栓症、ロングフライト血栓症などども呼ばれますが、エコノミークラス症候群の名前が、一番よく知られています。
3.エコノミークラス症候群の症状
初期のエコノミークラス症候群の症状は、大腿から下の脚の発赤や腫れ、痛みなどが起こることがあります。このような症状が発症した場合、速やかに専門の医療機関にて、受診することが重要です。
また、長時間、座ったままの状態から席を立ち歩き出した途端に、胸の痛みを感じ、重症化した場合は、呼吸困難起こし、心肺停止から突然死となることもあります。
こちらは、歩き出した後に起こるのが特徴です。
長時間座った状態が無い場合も、エコノミークラス症候群で原因となる血栓が生じるのは、
運動不足や水分不足による血流のうっ滞が主な要因で、高血圧や血栓症などの人に多く見られますので要注意です。
4.こんな職業の方は要注意!エコノミークラス症候群の発症例
ここまで、エコノミークラス症候群の仕組みから、飛行機以外でも座った状態が続く場合は、
発症の可能性があることをお伝えしてきました。
では、実際に国内で発症した事例はどのようなものがあるのでしょうか。
4-1.災害避難時に問題視されたエコノミークラス症候群
じっと座っている環境として、日常生活では想像がしづらいのですが、実は、地震などの災害避難時にこのエコノミークラス症候群が発症する事例が、国内で問題となっています。
最近では、熊本地震でエコノミークラス症候群による災害関連死が発生してしまったニュースも記憶に新しいかと思います。
また、熊本地震が初の震災の二次災害としてのエコノミークラス症候群の発症例ではなく、2000年に起きた新潟中越地震の被害者の方で、3日間以上自動車で寝起きしたために、エコノミークラス症候詳を起こしたケースもあります。
4-2.労災認定もされたエコノミークラス症候群
飛行機での移動や震災による避難時以外で、驚くべきことですが、職業によってもエコノミークラス症候群を発症しやすい職業があります。
以前、サッカー日本代表の高原選手がこのエコノミークラス症候群を発症し、ワールドカップに出場できなかった話は、報道でも話題になりました。
また、航空機以外の交通機関でも同じ姿勢で長時間過ごすと、同じ様な危険性があり、「タクシー運転手」や「長距離トラック運転手」などの発症も報告されています。
特に衝撃を受けるような事例としては、2000年にタクシー運転手の方で、死者が出てしまったことも挙げられます。
「長時間座り続けたことによるエコノミークラス症候群が原因」として、
大阪労働局から労災認定を受けたという驚くべき事例として一時期話題にもなりました。
エコノミークラス症候群をめぐる労災認定が明らかになったのは初めてですが、このようなケースを聞くと、全く他人事とは思えない病気ではありませんよね。
5.履くだけで予防できる弾性ストッキング
血栓を予防し、深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)を予防するには、
長時間下肢を動かさない座ったままの姿勢を注意し、着席中でも積極的に足の運動をすることが大切です。
特にタクシー運転手の方などは2時間に1度休憩を取り、しっかりとストレッチをする、足のマッサージをするように心がけましょう。
とはいえ、職業によってはそう言った努力が難しい場合や、ついつい仕事に集中して対策ができない方も多いのがこの病気の問題です。
そこで、エコノミー症候群の予防に効果的とされるのが、医療用弾性ストッキングです。
弾性ストッキングとは、特殊な編み方で製品化された、圧迫力を備えた医療用ストッキングです。
弾性ストッキングを装着すると、足全体が圧迫され続けるため、下肢の静脈の血流がスムーズになり、下肢静脈の血流がよくなります。
このため、手術の際に血栓ができるのを防ぐ目的で装着します。
下肢静脈瘤やリンパ浮腫の治療を目的とする弾性ストッキングより、弱めの圧迫圧のものが使われます。
特に最近では、医療用の弾性ストッキングで、エコノミークラス症候群予防専用のものも購入ができるようになりました。
長時間、同じ姿勢でいるような職業の方は日常的にこういったストッキングの着用がオススメです。
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6.まとめ
いかがでしたか。
本当は怖いエコノミークラス症候群。
履くだけで簡単に予防できる弾性ストッキングを活用しながら、日常から、発症のリスクを減らせるように対策を心がけましょう。
また、血栓ができないようにするためには、適量の水分を取ることも必要です。ただし、ビールなどのアルコール飲料、緑茶、コーヒーは利尿作用 があるため、かえって脱水を引き起こすので避けるようにしましょう。
時々深呼吸をする、服装をゆったりとしたものにするなども効果があります。
特に長時間座ったままの場合は、積極的に予防策を実行することが大切です。