日本人の1,000万人に発祥の疑いがあると言われている下肢静脈瘤。
もしかして私もそうかも…と感じたら必ず目を通してもらいたい改善方法を11個ピックアップしました。
改訂版として、5月6日に再アップを行いました!
目次
1,下肢静脈瘤とは
下肢静脈瘤とは静脈弁がしっかり閉じることができなくなり、そのため血液の逆流・停滞が起き、それがむくみや瘤となって現れる病気です。
症例には健康被害のあるものからそうでないものまで多種ありますが、それもそのままにしておくと悪化の一途を辿ります。
悪化すると、痛みが強くなったり、足がつりやすくなったりと今よりも苦しい状態になることは間違いありません。
2, 下肢静脈瘤を治すには?
静脈弁が上手く閉じなくなることが下肢静脈瘤の原因とお伝えしましたが、基本的には一度壊れてしまった静脈弁は元に戻りません。
改善策はいろいろとありますが、どれも壊れた静脈弁を元に戻すことはできず、血液の流れをよくするのみなので、そのままにしておけば症状は進行します。
一方で治療や手術をすることによって、問題のある血管を静脈弁ごと閉じてしまい治すという方法はありますので、それを紹介したいと思います。
2-1, 治療と手術
治療と手術の方法は大きく分けて4種類です。
硬化療法、ストリッピング手術、血管内焼灼術(レーザー治療、ラジオ波治療)、スーパーグルー治療があります。
それぞれに特徴がありますが、どれも問題のある血管を抜き取る、もしくは塞ぐことで、その血管から血流を別の静脈へと迂回をさせ、下肢静脈瘤のできる根本的な原因を除去することにあります。
手術方法、治療方法に関してはこちらで詳しく解説をしています。
<【詳しく解説】あなたの下肢静脈瘤にあった手術方法はどれ?>
<治療?手術?下肢静脈瘤の治療に役立つ3ステップをご紹介!>
3, 下肢静脈瘤の改善策と予防策
前章では手術、治療方法に関して解説をしましたが、ここからは本題である改善策についてまとめます。
改善策では静脈弁の機能不全が治ることはない!ということはしっかりと頭に入れておいてくださいね!!
3-1, ごきぶり体操
ごきぶり体操とは、重力の力を用いて血流を促進させる改善策です。
むくみが足に発生しやすいのは、体の一番下にあるため心臓に血流が戻る際に重力を受け停滞を起こしやすいからです。
そのため、足を心臓よりも高くあげることで重力に逆らうことなく足の血液が身体を巡ることができるため血流がスムーズになります。
3-2, 足はさみ体操
次は足はさみ体操です。足はさみ体操もごきぶり体操と同じく重力を使った下肢静脈瘤の改善方法です。
仰向けになり、腰をぐっと持ち上げて、ハサミのように足を前後に動かします。
どちらの体操も効果としては高いのですが、場所を選ぶため日常的に行うことが難しいことが難点です。それを補う形で行える改善エクササイズをご紹介します。
3-3, ふくらはぎポンプ法
ふくらはぎポンプ法とは骨格筋ポンプ作用という現象を使った改善エクササイズです。
骨格筋ポンプ作用とは、ふくらはぎの筋肉が締まることで、足の中の深部静脈がキュッと圧迫をされ、それに伴って静脈弁が閉じ、血流の停滞がなくなるという作用のことです。下肢静脈瘤を改善させる方法としては非常に効果的だと言われていますし、重力を用いる方法よりも手軽に場所を選ばず行えることも魅力です。
その中でもふくらはぎポンプ法とは手を壁について、台の上につま先だけを乗せる体制を取り、背伸びを繰り返します。これを続けて複数回、1日に何度か行えると効果的でしょう。
3-4, 足ポンプ法
足ポンプ法も同じく足の筋ポンプ作用を用いた改善策です。
こちらは足の甲や足首の筋肉を刺激してあげることで、脚の中でも最も下に位置する静脈弁を閉じさせる効果があります。
仕事中や電車の中でも気軽に行えるエクササイズですので、ぜひ試してみてください。
3-5, 適度な運動
運動をすることは全身の血液の流れをよくします。
全身の血のめぐりもよくなりますし、運動する際にふくらはぎの筋肉も刺激されるので筋ポンプ作用も働きます。あまり過度な運動というよりは、毎日続けられるようなウォーキング、ジョギングで十分に効果があります。
また水泳も効果的です。水の中にいる時は脚にかかる重力が緩和されるため自然と血流の改善に繋がります。
3-6, 食生活の改善
やはり食生活の改善も必要です。
下肢静脈瘤の根本的な原因は血流の停滞による下肢静脈の高血圧にあるため、そもそも高血圧は下肢静脈瘤の大敵です。
血圧を下げると言われている、玉ねぎ、セロリ、パセリ、ニンニク、トマト、緑黄色野菜ほうれん草、里芋、サツマイモ、ブロッコリー、シイタケ、シメジや
バナナ、プルーン、グレープフルーツなどの果物を意図的に摂取するようにしてください。
3-7, 肥満の改善
下肢静脈瘤になる方に一番多い原因は実は肥満です。
お腹の周りの皮下脂肪が多くなると、心臓に近い下大静脈を圧迫します。そうすると静脈血流の邪魔をすることに繋がるので、下肢静脈が停滞を起こして発病に繋がります。改善には何よりも大切ですので、日頃の運動や食生活の改善とあわせて気をつけてみてください。
3-8, ハイヒールを履きすぎない
ハイヒールを履いている間はふくらはぎの筋肉がずっと緊張したままになります。そのため血流も悪くなるので、毎日ハイヒールを履くのではなく、ウォーキングシューズやスニーカーも意識的に履くと血流の改善に効果的です。
3-9, 医療用弾性ストッキングの着用
下肢静脈瘤に悩んでいる方にはぜひとも試していただきたいのが、医療用弾性ストッキングを履くことです。
医療用弾性ストッキングのいいところは、市販のものに比べて着圧が高いこと。
また、筋ポンプ作用をサポートするだけでなく、医療用弾性ストッキングは足首の着圧が一番強く、上に行くに従って段階的に着圧が弱くなっているので脚の先から上に血液を流すことに非常に効果的です。
専門の医療機関でも弾性ストッキングの着用を勧めており、患者さんの症状にあったものを処方してくれるのでお悩みの方は早めに検診に行くといいかも知れません。
3-10, 市販の弾性ストッキングの着用
医療用が少し高い、病院に行く時間がない、という方には市販の弾性ストッキングをおすすめします。
着圧は弱めで、段階圧になっていないものも多くありますが、何より手頃な価格が魅力です。血流の改善にはもちろん効果がありますし、仕事の合間に履けるものや寝ている間に着用するものなど、いろいろなタイプがあります。
弾性ストッキングの正しい選び方や、おすすめの商品は
<医療用から一般用まで!おすすめ弾性ストッキング10選!>
3-11, 漢方薬と上手に付き合う
漢方薬は体の水分量を調整することに非常に効果的なため、多くのクリニックでも漢方薬が処方されています。その中でも代表的なものとしては
「五苓散(ごれいさん)」
「当帰葛薬散(とうきしやくやくさん) 」
「防巳黄書湯(ぼういおうぎとう) 」
「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」
「真武湯(しんぷとう) 」
などが挙げられます。
4, まとめ
今回は下肢静脈瘤の改善方法に関してまとめてみました。
改善策では根本的に完治をするわけではありませんので、治療や手術の方法などもあわせて確認するようにしてくださいね。